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TSUTAYA図書館視察

執筆者の写真: Mitsuhiro TakedaMitsuhiro Takeda

多賀城市(TSUTAYA図書館)

 町には「へそ」が無かった(中心市街地としての拠点がなかった)ことから、震災後、町の中心地に図書館を置いた。(駅周辺は海からは15分ほどの距離があるが、津波が押し寄せて188人もの方が亡くなられた場所)

 多賀城は724年、東北の中心地として、政治、文化の拠点として創建され来年1300年を迎える。

市が発足した時は3万人ほどの人口だったが、現在は6万2千人と倍増。

仙台市からは電車で20分ほどの距離にあるが、日中は子育て世代の親子、お年寄りの利用が多い。夕方は学生、夜間はビジネスマンの利用が増える。

【建設にあたって】

新設するまでの多賀城市の図書館は1割の利用率であった。また、利用者も固定化している状況だった。そこで東北発となる「市民のための図書館」を目指したとのこと。

【新しい図書館について】

◆ 地域で活躍する人材創出のエンジン

◆地域と市民生活の発展に貴献する教育施設

◆東北随一の文化交流拠点の中核施設「知の拠点」

として、もう一つの家にいることをコンセプトとした。

具体的には、

1階はリビングルーム

2階は居心地の良い書斎

3階は集中して過ごせる学習、研究、仕事の場としてフロアイメージ。

【図書館サービス・機能として】

●タブレット検索機(16台配置)

●タブレット端末の貸出(14台、インターネットサービス)

●自動貸出機(セルフ貸出)イベントの開催

電源・Wi-Fi環境の充実(電源席17席)

●キッズライブラリー、テラス

●「カードでの貸出も可能(要登録)

●宅配返却(実費負担あり)

●ギャラリー、展示スペース

●読書通帳

など。

それらを進めるため

市立図書館の指定管理者としてカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と公共図書館の共同運営に取り組む。

【新しい市立図書館】

◆利用者視点によるサービスの向上

◆ 誰もが行きたくなる環境づくり

◆居心地のよい空間と雰囲気づくり

【A棟テナント「蔦屋書店」】

「本」と「文化」を通じて新たなライフスタイルの提案と実践を生業とする事業者の経営する書店

考えとしては、

市民サービスの質・量の向上、合理的など。

年間延べ来館者数

  BEFORE 10万人

  

  AFTER 120万人

貸し出し 

  BEFORE 33万冊

  AFTER 66万冊

市民用率5割を超える図書館を目標にしている。

コロナ禍で来館者数は減ったが、それでも令和4年度 102万人の

来場者となった。

今後の課題

【座席数が足りない】

◆学習席100席は慢性的に満席状態となる。

◆ 定期テスト前は開館前から長蛇の列ができる

【蔵書数が足りない】

◆書架の空きが目立つ

◆蔵番回転率(図書貸出冊数➗蔵書数)が高い。

【新型コロナウイルス感染症への対応】

◆座席等の消毒作業等の業務負担の増加

◆学習席の座席数の制限

TSUTAYA図書館である指定管理者が本の手配が可能だが、CCC批判などが世間を騒がしていることから、現在は教育委員会が確認した上で本を手配しているとのこと。

指定管理者は5年契約、予算は28千万円/年を支払っている。

図書の購入予算は1千万円/年

【カルチャーコンビニエンスクラブとの契約】

まず協定を結び、TSUTAYA図書館を設置し、図書館内で各種イベントを開催したり指定管理者としての工夫を凝らしている。

電子図書は毎年コストも必要であり、新図書館としては残せる図書を購入するとした。

 館内には67人ほどの人が交代制で勤務しており、人件費、開館時間増、来館者数増から勘案しても、財源投入効果があるとの考え。

図書館の利用率としては、一般的に2割程度であるが、高城市は5割を目標にしている。

【見解】

多賀城市は総面積19.69km2

総人口63,029人

人口密度3,201人/km2

阿南市は279.25 km2

総人口66,951人

人口密度 240人/km2

人口密度は阿南市の13倍と高い。

コンパクトシティであり、大勢の方々が集いやすい状況であることが伺える。

阿南市も図書館を建設するうえで利用率向上対策は課題。

引き続き調査研究に取り組んでまいりたい。



 
 
 

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